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天文学教育研究センター・電波天文学グループ
現在の宇宙は、質量・形態・活動性いずれにおいても多種多様な銀河に満ちており、その形成・進化のメカニズムを解明し多様性の起源を理解することは、現代天文学における最も重要な課題の一つです。 私たちは、電波からミリ波サブミリ波における観測の特徴、すなわち豊富な分子・原子スペクトル線、ダスト放射における負のK補正効果、またスニヤエフ・ゼルドビッチ(SZ)効果などに着目し、アタカマ高地において稼働するアルマを基軸として観測的な研究を進めています。さらに、ASTEや野辺山、IRAM、JCMT、LMT、JVLAなど国内外の電波望遠鏡・サブミリ波望遠鏡を駆使するとともに、JWSTやHST・Spitzer、すばる、そしてまもなく稼働を開始するTAOなどの光赤外線望遠鏡、またChandraなどX線観測などとも連携し、幅広い波長域のデータを活用しています。現在進めているテーマとしては、ALMAと重力レンズ効果を組み合わせた遠方銀河の探査とその構造の研究、渦状銀河・棒渦状銀河における星間物質とその動力学、近傍銀河や天の川銀河における分子雲の統計的研究、γ線バーストや超高光度超新星、高速電波バーストなど突発天体を宿す銀河の性質、電波銀河やクェーサーなどにおける巨大ブラックホールと銀河との相互作用の観測的研究など多岐にわたります。また、超伝導直接検出器を用いたオンチップ型超広帯域分光システムDESHIMAや2mm帯ヘテロダイン受信機システムB4R、SZ効果観測用ミリ波サブミリ波帯多色カメラとその要素技術など、新たな地平線を切り開くための機器開発・技術開発も、国内外の研究機関と連携しながら推進しています。
構成員
令和6年度/2024年度 (2024年10月現在)
名前 | 役職/学年 | 研究内容 | メールアドレス |
---|---|---|---|
河野孝太郎 | 教授 | 活動銀河、高赤方偏移銀河、銀河団、銀河探査、ミリ波サブミリ波機器開発ほか | kkohno |
江草芙実 | 准教授 | 円盤銀河・渦状銀河におけるガスの力学・巨大分子雲・星形成 | fegusa |
諸隈佳菜 | 助教 | 銀河の星形成則・環境効果、AGNフィードバック、突発天体・時間軸天文学 | kanamoro |
西村優里 | 特任助教 (2024.4.1着任) | 星間化学・銀河における星間物質と活動性の研究・超伝導検出器開発 | yuri |
朱 丹蕾 | D3 (中国科学技術大学; 受託院生) | 銀河における星間物質と活動性の研究 (受入:江草) | |
辻田旭慶 | D2 | 重力レンズを用いた銀河やSMBHの進化に関する研究 (指導教員:河野) | tsujita |
松坂怜 | D1 | 銀河における星間物質の研究 (指導教員:江草) | rmatsusaka |
井上修平 | D1 | 銀河団SZ効果の観測的研究を目指した多色ミリ波サブミリ波カメラ、特に平面Magic-Tの開発 (co-supervisor: 大島泰 国立天文台助教) | sinoue |
山中逸輝 | M2 | 高速電波バースト (FRB) や超高光度超新星 (SLSNe) 母銀河での分子ガスと星形成 (co-supervisor: 廿日出文洋 国立天文台准教授) | yamanaka |
長田真季 | M1 | 棒渦状銀河M83における高速分子雲の研究 (指導教員:江草) |
研究活動報告
令和5年度/2023年度
過去の活動報告
- 令和4年度/2022年度
- 令和3年度/2021年度
- 令和2年度/2020年度
- 平成31年度/令和元年度/2019年度
- 平成30年度/2018年度
- 平成29年度/2017年度
- 平成28年度/2016年度
- 平成27年度/2015年度
- 平成26年度/2014年度
- 平成25年度/2015年度
- 平成24年度/2014年度
- 平成23年度/2013年度
- 平成22年度/2012年度
- 平成21年度/2011年度
- 平成20年度/2010年度
名誉教授
名前 | 役職 | 研究内容 | e-mail@IoA |
---|---|---|---|
祖父江義明 | 名誉教授 | 銀河、銀河系、星間物理学、恒星、太陽、宇宙の研究 | sofue |
過去のメンバー, 客員
名前 | 役職/最終学位 --> 異動先 | 研究内容 | e-mail@IoA |
---|---|---|---|
Gabriel LARUELLE | M1 (Institut Polytechnique de Paris) (Special Research Student at ILANCE; April-July 2024) | Observational study of high velocity molecular clouds in galaxies using PHANGS-ALMA | |
Victor KADRI | M1 (Institut Polytechnique de Paris) (Special Research Student at ILANCE; April-July 2024) | Observational study of high-redshift radio galaxies using Subaru/HSC and VLA-FIRST | |
前田郁弥 | 学振特別研究員(PD)(受入: 江草) --> 大阪電気通信大学 | 棒状銀河の分子ガスと星形成の観測的研究 | fmaeda |
藤田真司 | 特任研究員 (受入: 江草) --> 特任研究員 (受入: 河野) --> 特任助教 @統計数理研究所 2024.4より | 銀河系・近傍銀河における分子ガスと星形成、機械学習、 装置開発・ソフトウエア開発 | fujita.shinji |
廿日出文洋 | 客員特別研究員(国立天文台・准教授)--> 天文学専攻併任 | サブミリ波銀河・重力レンズ銀河・GRB母銀河・超高光度超新星、Fast Radio Burstとその母銀河、時間変動天体の観測的研究 | hatsukade |
宇野慎介 | D3 --> 理化学研究所基礎特別研究員 2024.4より | SZE観測による銀河団の観測的研究を目指した多色ミリ波サブミリ波カメラの開発、FPC技術を用いたミリ波サブミリ波帯光学デバイスの開発 (co-supervisor: 大島泰 国立天文台助教) | uno |
黄爍 HUANG Shuo | D3 --> 名古屋大学特任研究員 (ALMA共同科学研究事業) 2024.4より | 多波長SED解析に基づくサブミリ波銀河の観測的研究 (co-supervisor: 川邊良平 国立天文台名誉教授) | shuohuang |
吉村勇紀 | 博士課程修了 2023年7月 ==> IoA業務協力者 | 分子雲スケールおよび銀河スケールにおける分子化学組成とその進化、星団形成 | |
GNAOUI Mouad | M1 (Institut Polytechnique de Paris) (ILANCE特別研究学生; 2023年4月-7月) | JWSTとALMAを使った高赤方偏移銀河の観測的研究 | |
康浩然 KANG Haoran | 博士(理学) 2023年5月 ==> 特任研究員(NAOJ) | ヘテロダイン受信機を使った広視野観測システムの開発的研究 (co-supervisor: Alvaro Gonzalez 国立天文台教授) | |
李建鋒 LEE Kianhong | 博士(理学) 2022年9月 ==> 特任研究員(IoA/東大) ==> 特任研究員 (国立天文台) 2023.1 から | 高赤方偏移電波銀河における分子ガスと星形成, HSC-selected low-luminosity quasarsのradio-loudnessの研究 | |
諸隈佳菜 | 学振特別研究員(RPD) ==> 特任研究員 (筑波大学) 2022.12から | 銀河の構造・進化、時間変動天体、銀河団中の銀河(BCG)の研究 | kanamoro |
陳家偉 | 博士課程修了 2022年9月 ==> 就職 (デバイス) 2022.10 | 超伝導デバイス等を用いたミリ波サブミリ波帯観測機器の開発 (co-supervisor: 川邊良平 国立天文台教授, 大島泰 国立天文台助教) | |
西村優里 | 特任研究員(国立天文台ALMA科学研究事業) 2017.4 - 2022.3 ==>東京大学天文学教室 | 低金属量銀河や赤外線銀河、重力レンズクェーサーにおける星間物質、分子化学組成 | |
山岸光義 | 特任研究員(国立天文台) 2021.4 - 2022.3 ==> TAOグループ(IoA) | ダスト・光乖離領域の星間物理学の研究 | yamagishi |
山下祐依 | 博士(理学) 2022.3 ==> 就職(情報通信関係) | 超臨界膠着をしているradio-loud quasarや活動銀河核、AGN feedback, ミリ波輝線銀河探査 | |
鲍敏 BAO Min (南京師範大学 D2/D3) | 特別研究学生 2021.1 - 2022.3 | スターバースト銀河の星間物質、特にoutflowの観測的研究 (co-supervisor: 原田ななせ 国立天文台助教, 江草芙実) | |
石田剛 | 博士課程修了 R3.3 ==> 就職(情報システム) | 重力レンズ天体における新しいimage reconstruction法 GLEAN の開発とそれに基づく爆発的星形成活動の研究 | |
王涛 WANG Tao | 特任研究員(国立天文台/ALMA共同科学研究事業) (2020年12月まで) ==> 南京大学 full professor (2021年1月-) | 高密度環境での銀河進化、活動的銀河 | |
竹腰達哉 | 特任助教 ==> 北見工業大学 工学部情報通信系 助教/文科省卓越研究員 (2020年11月-) | マゼラン銀河・超伝導繊維端センサー(TES)多色カメラ開発・力学的インダクタンス検出器(KID)超広帯域分光器開発ほか | |
濤﨑智佳 (上越教育大学/教授) | 客員共同研究員 (2019年10月 - 2020年3月) | 銀河の星間物質の観測的研究 | |
高玉龙 GAO Yulong (中国科学技術大学/D3) | 特別研究学生(2019年9月 - 2020年8月) 受け入れ教員: 江草芙実 銀河の星間物質の観測的研究 | ||
水越翔一郎 | B4, 課題研究(2019年4月 - 2020年3月) ==> 天文学専攻・峰崎研究室へ進学 | サブミリ波銀河における星間物質と爆発的星形成活動の研究 | |
顾一舟 GU Yizhou (南京師範大学) | 客員特別研究学生(2019年9月-12月) | ALMAとHSTのデータを使った銀河進化の研究 | |
佐藤麻美子 | 博士課程在学 ==> 退学 H31.3 (Chalmers University of Technology, SwedenにてPhD student) | 銀河スケールにおけるH2S及び硫黄関連分子の研究 | |
山口裕貴 | 博士(理学) H31.3 ==> 就職(通信) | ALMAを用いた高赤方偏移銀河のCO, [CII]光度関数への制限, Herschelを使ったダストに埋もれた銀河種族の物理化学状態, ALMA seleted galaxiesの多波長同定 | |
谷口暁星 | 博士(理学) H30.3 ==> 研究員(名古屋大学) | 周波数変調LO方式による新しい分光観測手法の開発、活動銀河NGC1068における物理状態診断、超高光度サブミリ波銀河 | |
安藤亮 | 修士 H30.3 ==> 就職(出版) | ALMAを使ったミリ波サブミリ波帯分子吸収線系の研究, 爆発的星形成銀河における星間物質の研究 | |
田村陽一 | 助教 ==> 名古屋大学准教授へ転出 (2017年4月から) | 銀河・高赤方偏移銀河・重力レンズ銀河・GRBリバースショック・分子吸収線探査・機器開発・新しい分光観測手法の開発 | |
石井峻 | 特任助教 ==> 国立天文台助教へ転出(2016年10月から) | 南極テラヘルツ望遠鏡の開発、可搬型サブミリ波望遠鏡の開発とそれによる星形成領域の観測的研究、DESHIMAの開発(特に読み出し回路とデータ解析法) | |
梅畑豪紀 | 学振特別研究員(PD), 2016年3月までESO/Garching ==> 科研費特任研究員 ==> 理化学研究所基礎科学特別研究員; 客員共同研究員(理化学研究所→宇宙線研究所) 2022年3月まで客員共同研究員 ==> 2022年4月より名古屋大学高等研究員特任助教 | 原始銀河団領域におけるダストに隠された爆発的星形成銀河とSMBH成長 | |
泉拓磨 | 博士(理学) 2017.3 ==> 国立天文台フェロー (2017年4月) | 超伝導遷移端センサーを使ったカメラの性能評価、活動銀河における分子ガスの物理化学的性質とその応用の研究、超巨大ブラックホール成長過程 | |
菊地原正太郎 | B4, 課題研究 ==> 天文学専攻・宇宙線研へ大学院進学 (2017年4月) | 重力レンズ銀河団El Gordoの質量モデルとライマンブレーク銀河における星生成活動の性質 | |
真喜屋龍 | 学振特別研究員(PD) ==> 2016年2月から科研費特任研究員 (IPMU/Max Plank Institute For Astrophysics) | 準解析的モデルに基づく銀河の形成進化過程の研究 | |
五十嵐 創 | 学振特別研究員(PD); 2015年3月までESO/Garching - 2015年4月 東京大学特任研究員 ==> 2015年5月から Kapteyn Astronomical Institute, University of Groningenにて postdoctoral scientist | SXDFやSDFにおけるダストに隠された爆発的星形成銀河の無バイアス探査、重力レンズで増光された超高光度サブミリ波銀河 | |
藤本征史 | B4, 課題研究(2013年4月-2014年3月) ==> 天文学専攻・宇宙線研へ大学院進学 | AzTEC/Herschelを用いた高赤方偏移サブミリ波銀河の探査 | |
南谷哲宏 | 特任研究員(2013年4月-6月)==>国立天文台野辺山研究員へ転出 ==> 国立天文台野辺山 助教 | マゼラン銀河における大質量星形成、ヘテロダイン受信機開発、TESボロメータカメラ開発 | |
酒井 剛 | 特任助教(2009年4月-2013年(H25)年3月まで) ==>電気通信大学助教へ転出 | 大質量星形成、赤外線暗黒星雲(IRDC)、星間化学、ヘテロダイン受信機開発 | |
鈴木賢太 | 博士(H25/2013年3月)==>就職(コンサルティング) | 電波ジェットの進化・高赤方偏移原始銀河団領域でのダストに隠された爆発的星形成;超伝導遷移端センサーを使ったミリ波サブミリ波カメラの開発 | |
中島 拓 | 特任研究員(2012年(H24年)4月-5月==>名古屋大学STE研助教へ転出) | 分子雲、惑星大気、活動銀河における星間分子探査、ヘテロダイン受信機開発 | |
三浦理絵 | 博士(H24/2012年5月)==>国立天文台研究員 | M33におけるGMCと星形成の進化 | |
塚越 崇 | 特任研究員(H24年3月まで==>茨城大学研究員へ転出) | 星惑星系形成、ソフトウエア開発 | |
井上裕文 | 博士(H24/2012年3月)==>就職(通信) | サブミリ波超伝導受信機の開発、超伝導デバイスを用いた雑音源の開発 | |
半田利弘 | 助教(2010年11月まで)==>鹿児島大学教授へ転出 | 天の川銀河・近傍銀河、ソフトウエア開発 | |
依田崇弘 | 博士(H23年/2011年3月)==>就職(教員) | CO輝線による銀河面サーベイと星間物質の物理状態 |